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執筆者の写真田口房国

足助レポート〜求めれる田舎像を探しに(前編)

更新日:2019年2月13日

2月3日 

9:30

 時間通りに役場前に集合し出発。

11:30

 足助町に到着。旅館玉田屋に先にチェックインをして荷物をおいてくる。足助は戦前は宿場町として賑わっていたらしく、宿場の入り口である西町には7軒の宿屋があった。その中で唯一残っているのがここ玉田屋とのこと。女将さん曰く、築200年の家屋だそうだ。




13:00

◆「平成30年度 いなかとまちのくるま座ミーティング 暮らしに生かす 自然のチカラ」おいでん・さんそんセンター主催。

センター長の鈴木辰吉さんの挨拶。

「今まで生きてきた人は、拡大していく社会しか経験していない。縮小していく社会を誰も経験していないのです。しかしマーケットが縮小していっても、それでも人は幸せになれるはず。その光明を見つけましょう」

という趣旨の言葉にいきなりガツンとさせられる。そうか、今まで誰も経験したことがない時代を今まさに僕たちは経験してるんだ。だから今までの経験からくる成功体験なんて何ひとつあてに出来ないんだ。手探りでトライアンドエラーを繰り返しているんだ。そう思った。


◆オムニバストーク

センター長の挨拶が終わり、4人のゲストによる事例発表(オムニバストーク)。コーディネーターは澁澤寿一氏。以下、発表内容は箇条書き。

① 久津輪雅氏 岐阜県森林文化アカデミー 准教授

・グリーンウッドワーク・・・グリーンウッドとは「生木」を意味する。それを伝統的な手工具(大型の機械などは使わない)を用いて、割ったり削ったりして小物や家具を作るもの作り手法。

・イギリス、スプーンフェス。ひたすら斧でスプーンを作る。英ガーディアンズ誌「ヨーロッパのクリエイティブな静養先 ベスト10」に選ばれるくらい人気。

・日本の伝統的なグリーンウッドワーク・・・高山の杓子、加賀の我谷盆、北海道のアイヌ工芸など

・道具・・・削り馬

・様々な種類の木を流通させる仕組み


② 岩間敬氏 (一社)馬搬振興会 代表理事

・馬搬の国際大会(イギリス)で優勝。

・木曽馬を使用

・化石燃料を使わなくても馬がエンジン。

・馬が雪の中を走る映像は想像以上にスピードがあった。

・きっとすごい人なのだろうが、ギャグが寒く、あまり頭に入ってこなかった。


③ 井筒耕平氏 (株)sonraku 代表取締役

・様々なことが効率重視のもと「分業」化してきた→「集業(全部自分でやる)」してみたくなった。→やっぱり嫌になった。

・西粟倉ポリシー「こだわらない」「結果は出せ」「オーナーシップ(自分ごと)」

・村役場職員約30名→ベンチャーのよう

・村役場がプランニング→民間にやらせる

・起業約30社

・定住しなくてもいい。井筒氏自身、今は神戸に住んで、西粟倉と香川県に活動の拠点を持っている

・人口流動をいかに前提にできるか。←多くの自治体が「定住」を前提に取り組もうとするが、それではうまくいかない。

・「リソースファースト」から「やりたいことファースト」へ→村の資源を使う必要もない

・RE100・・・Renewable Energy 100% の略。再生可能エネルギー100%。

・木質バイオマス(熱、電気)→林業、林産業が地元にあるかどうかが大事。そうでないところが海岸沿いにプラントを作ってやっているのはどうかと思う。多分将来的に行き詰まる。

・sonrakuのバイオマスは地域熱供給システム。

・平均値から外れるべき

・行政は毎年ごとのアップデートだが、民間は毎月アップデートできる


④ 清水潤子氏 猟師・ジビエカフェMuiオーナー

・小澤庄一氏(元足助町助役 観光庁制定 観光カリスマ第1号)から、畑の周りに出没するイノシシをどうにかできないかと言われ、狩猟免許を取得。

・獲ったイノシシやシカを有効に活用できないかとジビエカフェをオープンする。

・罠はハコ罠、くくり罠。鉄砲。

・集落の求めに応じて駆除も行う。

・イノシシ、シカは山恵(処理施設)へ。それ以外の小動物は自前処理施設で処理。


15:15

◆くるま座談義

分科会③に参加

テーマ:地域のエネルギーは自分たちでツクル

ゲスト:井筒耕平氏 話題提供者:松原俊介氏、萩原喜之氏

コーディネーター:村田元夫氏

・おいでん・山村センターのスモールビジネス研究会が主催

・sonnraku・・・エネルギー事業の売り上げは10〜15%くらい

・バイオマスはレッドオーシャン。バイオ熱は成り立たない。敵は灯油。

・電気はマーケットが決まっている

・一般的に電力事業は労働生産性に優れている

・オフグリッド。自営線。

・水道の民営化

・欧州では集合住宅への熱供給→日本でも、中山間地域にこそ集合住宅を作るべき→そこにバイオ熱を供給する←LPガスは高いので戦える(都市ガスは安くて戦えない)

・何のためにバイオマスをやっているのか?目的と手段を常に検証する。


〈その他の分科会〉

分科会①「木づかいで変わる暮らし」 ゲスト:久津輪氏

分科会②「馬・動物とともにある暮らし」 ゲスト:岩間氏

分科会④「ヘンタイが中山間地農業を救う!?」 ゲスト:清水氏


17:00

◆まとめの全体会

 各分科会の内容が報告された。

 センター長より「2012年、世界では地球1.6個分の消費が行われている。30年には2.0個分が必要となる。これは将来の資源を先食いしているものなので、いつかは破綻してしまう。いかにして地球1.0個分の消費に抑えるか。SDGsが目指すのはそこである。」


18:00 (井筒亀)

◆夜なべ談義

井筒亀(いづがめ)にて懇親会。参加者の多くは足助町、もしくは豊田市在住の人たちであった。司会の山本シゲさんから今回の東白川村からの視察についての紹介もあり、一言挨拶もさせてもらった。また、高野先生からも東白川村の取り組みについてお話いただけて、参加者の皆さんにも東白川村のことがかなり認知されたと思うし、村に行きたい!という声もたくさんいただいた。





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