top of page
執筆者の写真田口房国

足助レポート〜求められる田舎像を探しに(後編)

2月4日

9:00 (足助支所内 会議室)

◆おいでん・さんそんセンターの取り組み

センター長 鈴木辰吉氏よりセンターの活動のレクチャー 

センターは自ら独自の活動を行うというよりも、活動をしている団体が直面している課題(集客、地元の理解、企業とのマッチングなど)をフォローするために行政側から派生した団体。あくまで「中間支援」

・行政でも民間でもない団体

・数々の団体やプロジェクトが地元で、信頼され浸透できるように中間支援

・そもそもは2000年の東海豪雨をきっかけとして、合併後の豊田市は中山間地に大きな予算をつけ人口増加を図ったが、逆に人口減少が加速した。

・何か手を打たなければいけないということで、当時豊田市の総合企画部長であった鈴木氏が行政の出先機関として構想し、定年退職してセンター長となる。(3年後一社化)

・経済の拡大によって雇用を生んで地域を活性化する←このような従来型の考え方は拡大社会での考え方であり、ダメ

・合併、社会インフラの整備は人口減少と関係ない

・毎月1回プラットホーム会議と理事会

・センターの取り組み・・・


▶︎いなかとまちの交流コーディネート

 ・企業の社会貢献・研修 47事業

・大学や研究機関の調査など 22事業

 ・都市部市民の農業体験など 63事業

 ・山村部での起業支援など 25事業

 ・祭りの継承支援など 18事業

○「元気Farm」人材派遣会社×営農組合

 耕作放棄地を活用して農業を通じて人材育成。1反あたり100万円を企業からもらう。地元のお祭りにも参加。自分の会社、スキルを通じてこの地域に何かできないか自然に考えるようになる。

○「とよた里山猪肉カレーの発売」coco壱番屋×足助高校×(株)山恵開発

 ディスカバー農山漁村の宝 優良事例に選ばれる

○「トヨタ生協農業体験プログラム」トヨタ生協×稲武・旭地区

農家の高齢化により作付けはできても収穫が困難になっていた。1個140円(トウモロコシの市場売価)で収穫体験を企画し、自分でもぎ取ってもらう。人が来てくれることがやりがいとなり、5年続いている。

 ○「NPO法人マルベリークラブの桑栽培」NPO法人×営農組合

 ○「集落活動応援隊」ボランティア×高齢化集落


▶︎いなか暮らし総合窓口

年間40世帯の子育て世代の移住をめざして

・空き家を内覧する「くらしの参観日」などの開催

・田舎くらしガイドブックの出版、HP、SNSによる情報発信

・「いなかとまちの文化祭」などの交流イベントの開催支援

・「空き家に灯りをプロジェクト」「いなか暮らし博覧会」の開催

・同じ豊田市の中でも都市部と山村部での人口の偏りがどんどん大きくなっている。→都市部から山村部へ(豊田市特有)職場は変わらずに住むところを変えたいというニーズ

・空き家への居住は圧倒的に賃貸が多い←その方が移住がうまくいかなかった時にやり直せる。

・期限を区切って面接→子育て世代が入居。年寄り世代はほとんど落ちる。

○「空き家に灯りをプロジェクト」豊田信用金庫職員×小原地区の空き家

・「空き家片付け大作戦」

・メディア対策

・地元の人に空き家活用に関心を持ってもらう

・キャッチフレーズ「隣の家に明かりが灯った。何年ぶりだろう」


▶︎「支え合い社会」の研究・実践

・地域スモールビジネス研究、山村起業の支援

・森の健全化に向けた「健康診断」、「半農半林塾」開催支援

・山村における営農の継続、食のあり方等の研究、講座

・人材育成事業支援、次世代育成に向けた研究など

○「豊森なりわい塾」生き方を学ぶ人×山村集落

○「セカンドスクール」都市部小学生×都市農山村交流ネットワーク

○「畦道オープン」

○「女性ハンター清水潤子 ジビエカフェmui」

○「てくてく農園」

○木の駅プロジェクト+あさひ薪研


▶︎専門部会・・・地域スモールビジネス研究会、移住定住部会、森づくり部会、食と農部会、次世代育成部会、セカンドスクール部会


▶︎センター5年で見えてきたもの

・都市と山村をつなぐ「中間支援」が必要

・移住者受け入れで山村地域の持続化は可能

・都市を都市らしく、山村を山村らしく磨き上げる

 →今までは山村を都市に近づけるという考え方

→都市が嫌だから田舎に来る(景色、手業、祭り・・・)

→田舎を都市化してしまっては本末転倒

・活性化とは、安心できる暮らしが続くこと

→不安がなければ子供が生まれる

・持続可能性社会は都市を山村の支え合いから

2018年6月15日

SDGs未来都市選定



11:00 (つくラッセル)

◆つくラッセル 視察とレクチャー

つくラッセル推進コンソーシアム代表機関 (株)M-easy代取 戸田友介氏

・総務省「ふるさとテレワーク」補助金で廃校を改装

・何をするか、よりも、誰とするか

・場所を提供して様々な取り組みを行う

・休憩室、カフェ校長室、レンタルオフィス、オープン会議室、シェアオフィス、コワーキングスペースなど

・合唱団(主に移住者)

・地域スモールビジネス研究会・・・近況を話すだけだがそこからプロジェクトになることもある

・やさしい暮らし委員会・・・いろんな施設、団体のスケジュールを記した日めくり→折り込みで配布

・グランドはマレットゴルフ場

・里モビ活用工房・・・コムス(トヨタ製電気自動車の活用研究)




13:10

◆ジビエカフェmuiでジビエ昼食

・昨日の清水潤子さんの営むカフェ

・鴨の唐揚げ、鹿のミネストローネ、猪ハンバーグの他、手作りランチをいただく。

・小林のリクエストでカラスのアヒージョも食す

・清水氏の計らいで小澤庄一氏と会うことが出来た。

「君たちのような若者たちが楽しみと希望を持って取り組むということは、これからの東白川は期待できるところになるだろう」というような激励をいただいた。かなり高齢であるため、このタイミングでお会いできたことは嬉しかった。





14:30

◆猪鹿工房 山恵  視察とレクチャー

・昨年まで小澤庄一氏が代取

・猪鹿の生肉を買取

・駆除期はお金は払わない

・施設補助金は様々な制約があるため使わない方がいい

・一般的な豚肉や牛肉に比べて、品質保証(全頭検査)などで競争力が劣る

・夏肉・・・フランク用、レストラン(低脂肪肉)

・冬肉・・・売店(3割)、イベント(3割)、販売(東京など3割)

・イベントなどで宣伝(あまり積極的な営業は行っていない模様)

・地元にはほとんど売っていない。(もともと猟師が直接卸すなどしているため)

・残渣処理に関して昨年夏より急に行政の指導が入り、コストアップ→打開策を検討中

・加工品の販売(加工はOEM)・・・イノシシ餃子、シシ肉カレーなど


15:30

◆ちんちゃん亭 農家民宿の視察とレクチャー

・使命感としては農業だが、収入としては民宿が多い

・集落営農(約10町歩)の担い手として農業を始めたが収入が少なかったため、結婚を機に農家民宿も始める

・リフォーム、随所にこだわった

・年間100組(自然派子育て世代の母子が多い)

・イベントはFBによる集客のみ

・泊まりに来た面白い人をイベント講師にしていく





今回、地域おこしの勉強に東白川村美しい村づくり委員会のメンバーを中心に愛知県豊田市足助町に視察に行ってきました。

様々な事例から学ぶことも多く、実践していきたいことばかりです。

その中で、ハッとさせられる言葉もいくつもありました。

その一つを紹介させていただきます。


「都会の人は、都会の暮らしが嫌になって田舎にくる。

だから田舎が都会みたいになってしまってはダメだ。

これからの田舎は、より田舎らしさを大切にするべきだ」


足助町の皆さん、ありがとうございました!

閲覧数:24回0件のコメント

最新記事

すべて表示

Comments


bottom of page