• 田口房国

地歌舞伎公演裏話1

第43回東白川郷土歌舞伎公演が無事終了しました!

私目線で当日のことを振り返ってみたいと思います。


朝7時、「桔梗旗揚」メンバーははなのき会館に集合。

役者の準備で一番時間がかかるのは顔描きで、自分ではできないので顔師の松本宙さんに描いていただきます。

外題順に顔は描いていくので、今回は「桔梗旗揚」が一番乗り。

来た時には静まり返っているはなのき会館も、顔描きが終わる頃には賑わいが出て来ます。

東白川村歌舞伎保存会は役者部、舞台部、公演部を合わせると100人にもなる大所帯。

約300人の一般会員、特別会員の皆様からの会費で運営が成り立っています。

決して役者だけで芝居はできるわけではありませんので、

朝はそれぞれの外題ごとに役者たちは裏方さんやスタッフの皆さんのもとを周り、感謝の気持ちを込めて挨拶をしてから準備に入ります。


さて、準備してるとあっという間に11時。

出番です。

今回のために新たに衣装さんが新調してくれたというシャンパンゴールドの素襖に袖を通して「桔梗旗揚 饗応の場」に臨みました。

今年の特徴は、何と言ってもお客さんが多かったぁ。

はなのき会館には目の前と道路を挟んだところに駐車場、さらには少し奥に芝生広場の駐車場があるのですが、

それらも満杯になり300Mほど離れたグラウンド(途中が結構な坂道なんだよなぁ)まで車を停めに行った方もいらっしゃったとか。

会場内も客席が埋まり、2階最後列は2重の立ち見になっていました。

本当にありがたく、また、立ち見などで辛い思いをされた方には申し訳ない気持ちです。


時今也桔梗旗揚」は、

短い上演時間でセリフ、動きの量もそんなになく、役者としての負担はそれほどでもないのですが、

セットが結構大変でした。

御簾が上がったり、桔梗の葉が折れたり、陣幕が取れたり・・・という仕掛けを前日まで試行錯誤しながら裏方さんと作りました。

基本的に手作りなので、ボタンでピッ!というわけにはいかないんです。

まぁこういうアナログな感じが味があっていいんでしょうけどね。


(本物の蘇鉄を手本にしながら紙とタオルと絵の具で大きな蘇鉄を作ってみる。

なかなかの出来栄えです笑)


(自宅の玄関にあった作り物の盆栽。こうやっている道具を家などから寄せ集めてきます)


桔梗旗揚も終わり、顔の化粧を落としてしばし休憩。

今年は最後の外題の「すし屋」もあるので。

この時間を利用して会場の方にも顔を出してお客様に挨拶。

東京からわざわざ来てくれた友人もいたりして、ありがたいです。


さて、2外題目の

「絵本太功記 十段目」は地歌舞伎ではとても人気のある演目で、

県内30団体ある保存会で、毎年どこかでは上演されているかと思います。

そのためお客様もあらすじはもちろん、セリフまで覚えている人もいるくらいです。

役どころとしても、それぞれの役で見せ場があり、まさに全員が主役的なノリの地歌舞伎にはうってつけの演目です。

人数も多く、また、今年は11月の岐阜市清流プラザ・秋の地歌舞伎公演にも出演が決定していたことから配役段階でも二転三転し、非常に産みの苦しみの大きかった演目でした。

光秀役には芸歴43年(初回から出演)の役者部長のノボルさんが初役として挑戦しました。

息子の十次郎は前髪役ですので年の頃なら15歳くらいでしょうが、

私と同級生、43歳のタダタカくんでした。

稽古を見ていた段階では正直、

「ちょっと、15歳には見えないかなぁ(汗」

と思っていましたが、本番が近づくにつれどんどん良くなり、

立派に十次郎を務め上げてくれたと思います。

セリフも動きも多く、またタダタカ君はそんなに器用な人間でもないと思うのですが、

彼は人一倍努力をする人間なのです。



(稽古風景)



「浮世柄比翼稲妻 仲之町鞘当の場」

は東白川村の歌舞伎公演では定番の子供歌舞伎演目です。

大歌舞伎ではすぐに終わってしまうのですが、

地歌舞伎用に師匠がアレンジしてくれて、踊ったり餅つきしたり、とても楽しい一幕となっています。

今年も大変盛り上がり、4人がかっぽれを踊る場面では会場から自然に手拍子が湧き起こりました!

私が見た中では初めてのことだったと思います。

それにしても何の知識も経験もない小学6年生たちが

10数回の稽古を経て、立派な演技を見せてくれることに毎年驚かされます。

稽古には毎回保護者の方も最初から最後まで付きっきりで様子を見守ってくれているので、

その家族ぐるみの熱心さが舞台に現れているのだと思います。



(稽古中にはビデオカメラがずらり。

みんな熱心ですねぇ)


(つづく)




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